それに、黒闇神の婚約についてはまだ各所へ情報が回っていなかった。それだけ婚約を決めてから発表まで、早急にことを進めたということだ。


婚約者を作らないと言っていた黒闇神が……どうしてこんな強引な婚約を……?


どれだけの美女を用意されても、頑なに首を縦に振らなかった男。


それは俺も同じだったが……あいつも、鈴蘭にひと目惚れしたくちか……?


わからないことが多すぎる。


俺の把握していない場所で鈴蘭が別の男と関係を深めていたという事実に、ただ怒りだけが募った。


アセンブリが終わり、一旦教室に戻る。


「まさか黒闇神様が双葉姉と婚約するなんて……」


「ちょっと、その呼び方やめなよ。聞かれたらまずいって」


「双葉さんの話はもうしないでおこう」