魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

別にそんな規則はないのに、わざわざそこまで体裁を気にするなんて……。


……いや……もしかして……。


「……あいつ、鈴ちゃんに未練あるの?」


俺が知っている白神は、他人に興味を示さない奴だ。


夜明に対しては対抗心むき出しだけど、それ以外の魔族や、ましてや人間のことなんて眼中にないだろう。


そんな男が、別れた相手に執着するとは思えない。


……未練でもない限り。


俺の意見に、竜牙くんはなんとも言えない表情をした。


「鈴蘭様の記憶にもありましたが、白神はあの妹に騙されて婚約を破棄したようですので……それさえなければ、婚約破棄はしたくなかったのではないでしょうか」


なるほどね……。


「黒闇神がどうのこうの言ってたもんね、あいつ」