魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

フードさんはそう言って、大講堂の出口のほうへと歩きだした。


行こうって……どこにだろう?


おそらく考えてもわからないだろうから、私は落ちないようにフードさんにしがみついた。





大講堂を出たあと、立ち止まって辺りを見渡したフードさん。


「鈴蘭、しっかり掴まってろ」


言われるがまま、しがみつく腕にさらに力を込めた。


えっ……!


突然、体が宙に浮いたかと思えば、まばたきした瞬間に視界が切り替わっていた。


待って……私、さっきまで裏庭にいたのに……ここ、どこ?


戸外の景色だったはずが、一瞬でホテルのラウンジのような場所に変わっていた。


あり得ない事態に、自分の目を疑う。


「今、何が……」