廊下であたしを解放したノワール生が、あたしを睨みつけてくる。
「礼儀をわきまえない人間はこの学園に必要ない。次は退学処分になると思え」
何よ……あたしの邪魔をするなんて……。
あたしは、白神ルイスの婚約者よ……!
そう思ったけど、なんだかその名前がとても安っぽく感じて、口に出すのはやめた。
あたしがルイス様で……鈴蘭が、黒闇神様……。
そんなの、おかしい……。
いつだって、あたしは鈴蘭よりも上じゃないと……。
ノワールの生徒が大講堂に戻ったと同時に、ルイス様が現れた。
「おい星蘭……!」
焦りと怒りを滲ませた表情で、口を開いたルイス様。
「お前、さっきのはなんだ……! 儀式中に口を出すバカがいるか!!」
バカ……?

