魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

この申し入れを断ったら、今度こそフードさんと、本当に会えなくなってしまう。


……嫌、だ。


私はなんて、わがままなんだろう。


いつか嫌われるかもしれないという恐怖心よりも、フードさんと一緒にいたいという気持ちが勝ってしまった。


差しだされた手に、恐る恐る自分の手を重ねる。


フードさんは……私を見てこれでもかと嬉しそうに微笑んでくれた。


「ありがとう……! よく俺の手をとってくれた……」


手を強く引かれて、抱き寄せられる。


突然のことに、驚きと恥ずかしさでいっぱいになった。


周りにはたくさんの人がいて、みんなこっちを見ているのにっ……。


でも、やっぱり……フードさんのそばは、ひどく落ち着く。


私を包み込んでくれるこの温もりから、離れたくない。