【side 星蘭】


「鈴蘭。俺と――婚約してくれ」


な、に……?


一体、何が起こってるの?


なんで……鈴蘭なんかが、黒闇神様に婚約を申し込まれてるわけ……?


そこにいるのは、あたしであるべきはずなのに。


「お前は俺が守る。この命に誓おう」


黒闇神様の姿を見て、絶句する。


ようやく状況が飲み込めたあと、一番に込み上げた感情は怒りだった。


許さない、あの女……。