魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「そんなにかしこまらなくてもいいよ。気難しい奴だけど、鈴ちゃんならきっと仲良くなれると思うよ」


獅堂さんの妹さんなら、きっとすごく優しい女の子なんだろうな……。


「……無駄話はもういいだろ。戻るぞ」


話すのが楽しくて、つい浮かれてしまった。


夜明さんを怒らせてしまったようで、すぐに頭を下げる。


「ご、ごめんなさいっ……」


せっかくついてきてくれたのに、待たせてしまって夜明さんの気分を害したかもしれない。


「……違う、鈴蘭に言ったわけじゃないからな」


なぜか焦った様子で、私の肩に手を添えた夜明さん。


「夜明が焦ってる……超レアな光景」


「うるさいぞ百虎。元はといえばお前が……」


「鈴ちゃん、夜明は嫉妬してるだけで怒ってないから、気にしなくていいよ」