魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

怖い? フードさんが……?


そんなはず、ない……!


「こ、怖く、ありません……!」


誰よりも、私に優しくしてくれた。


私に、たくさんの初めてをくれた人。


『俺はいつでもお前の味方だ』


『必ず力になると約束する』


『こうして俺の隣にいて、笑ってくれるだけでいい』


フードさんがくれたものは、全部私の宝物。


あんなことがあって、会いに行けなくなってしまったけど……心の底から大好きだった。


本当は、できることなら……。


「俺はお前といたい」


――私だって、一緒に、いたい……。


『お前のことを大切にする。だから……俺の手をとってくれ』


ルイスさんに言われた言葉が、脳裏をよぎった。


「鈴蘭」


再び、優しい声で名前を呼ばれる。