「俺たちは今日から、鈴ちゃんのナイトだから」


にっこりと微笑みながら、獅堂さんがそう言った。


ナイトという単語も気になったけれど、一番驚いたのは……。


「鈴ちゃん……」


それって、私のことかな……?


「あ……嫌だった?」


「い、いえ……!」


誤解を与えてしまったようで、慌てて首を横に振る。


「あの、鈴ちゃんなんて呼ばれるのは初めてなので、嬉しくてっ……」


普段、名前で呼ばれることも滅多にないから……新鮮で驚いてしまった。


小説によく出てくる、登場人物たちが愛称で呼び合うシーンを見て、ずっと憧れを抱いていたから……込み上げるものがあった。


思わず口元が緩んでしまって、だらしない表情になる。