獅堂さんと冷然さんが、前にあるソファに座った。


司空さんは座らないのか、皆さんの後ろに立ったまま。


「そういえば、今日まではブラン生なんだよね?」


獅堂さんの言葉に、ハッと気づいた。


そうだ、さっき、全校集会……アセンブリを抜けてきて……もう授業の時間のはず……。


初めて、授業をサボってしまった……。


「鈴蘭、今日は早退しよう」


「え?」


「落ち着いたら、ブランに鈴蘭の荷物を取りに行く」


そういえば、今日は忙しくなるって夜明さんが言ってた。


夜明さんの言う通りにしようと、こくりと頷く。


「あ、俺たちもついていくよ!」


「いや、ただでさえ目立つのに余計だろ……」


「いいじゃん、いっぱいいたほうが牽制になるだろうし」


牽制?


笑顔の獅堂さんに、冷然さんは「はぁ……」とため息をついている。


「ふっ、雪兎も心配なくせに」


「ち、違うし……!」