魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

私が星蘭から言いつけられているのを、知っているような言い方。


取り繕う、必要はない……。


夜明さんのその言葉に、背中を押された気がした。


「お前はもうノワールの生徒になる。周りの目は気にするな」


いいの、かな……。


「双葉、鈴蘭といいます……! よろしくお願いします……!」


精一杯の笑顔を浮かべて、挨拶をした。


夜明さんのお友達なら……私も、少しでも好感をもってもらいたい……。


獅堂さんは、なぜか私を見ながら目を見開いた。


「……やっぱりとんでもなく美人だね」


え?


「殺すぞ……」


「あはは……彼女の前でそんなこと言ったら、怖がられちゃうよ~」


夜明さんは怖い顔をしているけど、流れている空気は穏やかで、信頼関係があるのが伝わってきた。