魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

私にこんな笑顔を向けてくれるなんて、いい人……。


私もよろしくお願いしますと返したかったけど、星蘭の顔が脳裏をよぎった。


この人たちは、この学園の生徒……。


『あんたは私の引き立て役なの』


私は、学園の生徒として仲良くなったらいけないって星蘭から命令されている。でしゃばるなって……。


夜明さんは……生徒だって知らなかったから仕方ないとはいえ、獅堂さんたちは別だ。


この学園の生徒で、どうしても星蘭の命令が頭のなかにちらついた。


星蘭の命令は絶対だから、返事ができない。


せっかく、優しく接してくれているのに……。


「鈴蘭、もう取り繕う必要はない。お前は誰の命令も聞かなくていい」


夜明さん……?