大講堂にいる全校生徒は、みんな私たちのほうを見ている。
たくさんの視線を浴びている状況に、足がすくんだ。
答えを出せなくて、私はただ震える自分の手を握りしめることしかできなかった。
「黒闇神様……!」
大講堂に響いた、高い声。
星蘭……?
恐る恐る視線を向けると、顔を赤くした星蘭が立ち上がってこっちへ駆け寄ってきていた。
「彼女はあなたのような高貴な方にふさわしい女性ではありません……!」
訴えかけるように、フードさんを見ている星蘭。
私は星蘭が何を言うのか怖くて、思わず視線を下げた。
どうしよう……。
星蘭がフードさんに、私のことを話したら……。
本当に、嫌われちゃう……っ。