相当混乱しているのか、しがみつくように俺に抱きついている鈴蘭。
待て……待て待て待て待て。
俺のほうがパニックだ。
ていうか、いつもなら女に触れられるだけで鳥肌が止まらないのに……。
今は拒絶とは違う、動悸がする。
なんだこれ……。
心臓、痛いし……。
と、とにかく、早く離れないとやばい気がする。ポケットの虫をとっとと取って離れようと思い、手を入れた。
中には虫のような感触はなく、代わりに震えているスマホが入っていた。
「は? ……虫じゃないじゃん」
「え……?」
スマホを取って、鈴蘭に画面を見せる。
「……って、夜明さんからだ」
画面に表示された、【夜明】の文字。

