魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

一瞬、夜明さんとつければと言って突っ返す選択肢が浮かんだ。


でも、なぜかそれを嫌だと思った自分がいて、そっとピッキーのキーホルダーをポケットに突っ込んだ。


何やってんだ、俺は……。


「きゃっ……!」


今度はなんだ……?


「ゆ、雪兎さんっ……!」


呆れながら顔を上げたが、切羽詰まった表情をしている鈴蘭に俺のほうが焦る。


「は? ど、どうしたんだよ」


今にも泣きそうな顔で、立ち上がった鈴蘭。


「ポ、ポケットの中に、む、虫が……!」


虫……?


苦手なのか、パニックになっている。


とりあえず落ち着かせることを言おうと思ったが、そんなものはすべて消し飛んでしまった。


こいつが……急に、抱きついてきたから。


「た、助けてっ……」


「……っ」