魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「喉は乾いていないので、大丈夫です」


夜明さんからカードもらってないのか……? まだ発行できてないのか……。


「すみません、水ふたつください」


俺はペットボトルの水をふたつ購入して、購買を出た。


教室にいても窮屈だろうと思い、少しだけ近くのベンチで休憩することに。


腰を下ろして、ペットボトルのひとつを鈴蘭に渡した。


「ほら」


どうして?と言いたげな顔で俺を見ている鈴蘭。


「飲むもん持ってきてないんだろ。飲め」


こいつ見るからに栄養足りてなさそうだし……こまめに水分補給する習慣もなさそう。


多分、学内で一番時間を共に過ごすことになるのは俺だろうし……定期的に確認しないと。


「ごめんなさい……今、お返しできるお金がなくて……」