魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

昨日の婚約発表で、全員鈴蘭のことは知っているだろうし……夜明さんの婚約者だから当分はこうなるだろうとは思っていたけど、予想以上だな。


本人の美貌も影響しているのか、こればっかりはどうしようもない。


俺はできるだけ、周りを牽制しながら購買部に向かった。





「ここが購買部」


ブランでも購買部には行ったことがなかったのか、鈴蘭は感動した様子で周りを見渡していた。


別に面白くもなんともないただの購買部なのに、何を感動しているのか俺にはさっぱりわからない。


まあ、楽しそうだからいいか……。


「水買うけど、お前はいらないの?」


「はい!」


鈴蘭は笑顔で頷いたけど、さっきから水を飲んでいる様子はなかった。


「……水筒は?」


多分、持ってきてないはず。