魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

夜明さんは、私の家の事情を知らないはず。


急に泣いたら心配させてしまうだけなのに、今にも涙が溢れてしまいそう。


私……本当に、そばにいてもいいのかな。


「大丈夫だ」


再び抱きしめてくれた夜明さん。


「お前には俺がいる。……もう何も恐れるな」


私が何かに怯えているように見えたのか、そう言ってくれた夜明さん。


優しい温もりが、私に安らぎをくれた。


「ありがとう、ございます……」


何回感謝の言葉を伝えても、足りない。


まだ同じ気持ちを返すことができないのに、無性に抱きしめ返したくなって、腕を伸ばした。


「……おい」


急に低い声を出した夜明さんに、びくりと肩が跳ねる。


ダ、ダメ、だったかな……。


「あ……バレた?」


え……?