魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「俺、話しかけてみようかなぁ」


いいかげん鬱陶しいな……。当の本人は自分が見られていることに気づいていないみたいだが、俺が耐えきれなくなってきた。


このクラスの奴らに、双葉を嫌っている奴がいなさそうなことには安心したけど……男子どもが汚い目でこいつを見るのが許せない。


文句を言ってやろうかと思った時、俺の機嫌をうかがうようにチャイムが鳴って、教師が入ってきた。


仕方なく睨みつけるだけで済ませて、次の数学の教科書を用意する。


授業が始まってから、横目で双葉のほうを見た。


困ったように教科書を見ている姿に、なんとなく察して手を伸ばす。


「この前の授業で、ここまで進んでる」


指定のページまで教科書を開いて、指を差した。