夜明さんのお友達に嫌われたことが、内心すごくショックだったから、冷然さんの言葉に救われた気持ちになった。


「あー……もう、そういうのやめろってば……」


困ったように、ガシガシと頭をかいている冷然さん。


「お礼とか、謝罪とか、全部いらない。だから……」


顔を上げると、前髪から覗く綺麗な水色の瞳と視線がぶつかった。


「笑え」


そう言って、冷然さんはくるりと私に背を向けた。


「お前が……楽しそうに、してればいい……」


耳はさっき以上に赤く染まっていて、思わず口元が緩んでしまう。


「はいっ……」


不器用な優しさが、じんわりと胸に響いた。