本当に、いい人だなぁ……。


「ありがとう、ございます」


「敬語もいらないよ。あと、俺のことは百虎って名前で呼んでね」


名前呼び……。


「百虎、さん」


「うん。俺と鈴ちゃんの間に遠慮はなしだよ」


獅堂さん……百虎さんの笑顔が、キラキラと眩しく光って見えた。


神様みたい……。


「百虎がモテる理由がよくわかります。夜明、うかうかしてたら百虎にとられますよ」


「黙れ」


うしろで、司空さんと夜明さんの会話が聞こえて、私も心の中で頷いた。


こんなにも気遣いをしてくれる人なら、きっと女の子からも大人気のはず。


百虎さんの恋人は、綺麗な人なんだろうなぁ……。


そんなことを思いながら、皆さんと一緒に職員室を目指して歩く。