魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「鈴蘭様は私共のことを名前で呼んでくださって……どちらがお世話係なのかわからなくなるほど、私共のことも気遣ってくださいました。とてもお優しい方ですね」


当たり前だ。あいつはラフみたいな鳥にすら献身的に尽くすような女だ。


世話係にも気に入られているようで、誇らしい気分だった。


「私も、残った料理の心配をされたのは初めてです。あれほど美味しそうに召し上がっていただけて、料理人冥利に尽きます」


普段は最低限の発言しかしないシェフも、嬉しそうにそう話している。


「ああ。どれも美味しいと言って食べていた。鈴蘭はやはり甘いものを好むらしい。食後のスイーツは必ず用意してくれ」


「かしこまりました」


今日の鈴蘭の反応を見て、ある程度好みはわかった。