鈴蘭の部屋も、デザイナーを雇って家具を揃えさせたが、気に入ってもらえたかはわからない。


俺は鈴蘭が風呂に入っている間、竜牙の部屋で風呂を借りて済ませてきた。


「し、失礼します」


控えめに部屋に入ってきた鈴蘭の姿を見て、一瞬心臓が止まった。


いつもは伸ばしたままの髪をひとつにくくり、可愛らしいワンピースをまとっている鈴蘭。……いや、鈴蘭が着ているから可愛らしく見える服、の間違いだ。


いつもとは違う姿に、心臓が大きく脈を打つ。


……あの服を用意した使用人を昇格させよう。


ふと、あることに気づく。


毎日こうして、可愛い鈴蘭の姿を見ていられるのか。


……俺の心臓がもちそうにないな。


今日は疲れただろうから、早く休ませてやりたくて寝室に連れていく。