魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

買うお金がなかったから、見るだけだったけど……いつかたくさんのぬいぐるみに囲まれるのが夢だったんだ。


「鈴蘭のために用意した」


私……夜明さんに、ぬいぐるみが好きという話はしたことがないはず……。


知ってくれていた……? それとも、偶然……?


「全部お前のものだ」


夢みたいな光景に、視界が滲む。


今日はもう、涙腺がゆるゆるで……少しでも力を抜いたらタガが外れてしまいそう。


私はそっと、目に入ったクマのぬいぐるみを手に取った。


そのまま、ぎゅうっと抱きしめる。


可愛い……柔らかい……。


「鈴蘭」


「わっ……!」


突然、クマのぬいぐるみを抱きしめる私を抱きかかえた夜明さん。


ベッドの上に、座らせるようにそっと下ろしてくれる。