魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

私には釣り合わない気がするけど、やっぱりこのお洋服、すごく可愛い……。


身を包んでいるだけで、ドキドキする。


「とてもお似合いです」


「あ、ありがとうございます……」


お世辞でも嬉しくて、頭を下げた。


洗面室を出て、夜明さんの待つリビングに戻る。


3回ノックをして中に入ると、バスローブ姿の夜明さんがいた。


あれ……? 夜明さんももうお風呂を済ませたのかな……?


こんなに大きなおうちなら、お風呂がふたつあってもおかしくないよね。


「し、失礼します」


そっと中に入って、夜明さんのほうに歩み寄る。


そんな私を見て、夜明さんはくすっと笑った。


「ここはもうお前の家だ。かしこまらなくていい」


私の、家……。


「おいで、鈴蘭」