魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

……お世話係さんって言い方、少し抵抗があるな……。


「あの、よければ名前を教えていただけないでしょうか……?」


「え……?」


ふたりは一瞬驚いたように目を見開いたあと、笑顔で答えてくれた。


「私は左藤と申します」


「私は右藤と申します」


左藤さんと右藤さん……。あまりに覚えやすい名前にびっくりした。


おふたりとも、20代後半くらいに見える。心なしか、顔立ちも似ているように思えた。


これからお世話になるなら、できるだけ名前で呼ばせてもらいたい。


「親切にしてくださって、ありがとうございます……左藤さん、右藤さん」


ふたりはまた驚いた顔をしたあと、嬉しそうに笑ってくれた。