頭皮のマッサージもしてくれているのか、いつの間にか目をつむって身を預けていた。
「お流ししますね」
トリートメントを優しく流してもらいながら、ハッと我に返る。
「髪、傷んでいて……みっともなくてすみません……」
私の髪質は、普通の人に比べて悪いと思う。
星蘭やお母さんが、いつもいろんなヘア用品を使ってケアをしているのを見ていたし、ふたりはいつだって髪にツヤがあった。それに比べて、私の髪は乾燥していて、お世話係さんたちを戸惑わせてしまったかもしれない。
「そんなことはございません。……今まではどのようなケアをなされていたんですか?」
「石鹸を使っていました」
ほかのものは使ってはいけないと言われていたから、私のケアはそれだけだった。

