魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~


頭皮のマッサージもしてくれているのか、いつの間にか目をつむって身を預けていた。


「お流ししますね」


トリートメントを優しく流してもらいながら、ハッと我に返る。


「髪、傷んでいて……みっともなくてすみません……」


私の髪質は、普通の人に比べて悪いと思う。


星蘭やお母さんが、いつもいろんなヘア用品を使ってケアをしているのを見ていたし、ふたりはいつだって髪にツヤがあった。それに比べて、私の髪は乾燥していて、お世話係さんたちを戸惑わせてしまったかもしれない。


「そんなことはございません。……今まではどのようなケアをなされていたんですか?」


「石鹸を使っていました」


ほかのものは使ってはいけないと言われていたから、私のケアはそれだけだった。