魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「マナーは気にするな。知りたいのならおいおい俺が教える。今日は好きなように食べればいい」


優しくそう言ってくれた夜明さん。


「これからは好きなものを好きなだけ食べるんだぞ。気に入ったものがあれば言ってくれ。明日の夕食にも出そう」


好きなものを好きなだけなんて、夢みたいな言葉だった。


「遠慮はしなくていい」


いただいて、いいのかな……。


こくりと頷いて、何から食べようか悩む。


「あの、これはなんという料理ですか……?」


「これはパテだ。こっちはビスク……肉は鹿だな。わからないものがあればなんでも聞け」


「あ、ありがとうございます」


キョロキョロと料理を見渡す私を、夜明さんはじっと見守ってくれていた。


近くにあった魚介の入ったサラダに手を伸ばす。