魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「次は洗面室を……ああ、腹が減ったな。部屋の案内は後にしよう。先に夕食にするか」


私を気遣ってくれたのか、手を握って奥の部屋に進む夜明さん。


「ここがリビングだ」


ほかの部屋よりも大きくて豪勢なその扉の先には……リビングと呼んでいいのかわからないくらい、豪華な部屋があった。


ひ、広い……。教室、何個分だろうっ……。


驚愕して、その場に立ち尽くしてしまった。


さっきのラウンジに劣らないくらい……。


「おかえりなさいませ、夜明様、鈴蘭様」


えっ……?


中には黒い服を身にまとった女性と男性が2人ずついて、綺麗に45度の角度でお辞儀をしていた。


「ああ、使用人だ。このふたりには鈴蘭の世話係を頼んでいる」


この女性ふたりが、私の……?