魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

前の部屋とは比べものにならないくらい、まず面積自体が広すぎる。


ソファにローテーブル。それとは別に勉強用の机と椅子が置かれていた。それも、ベルサイユ宮殿を彷彿とさせるようなクラシカルで華やかなもの。


まるでお姫様が住んでいるような部屋に、言葉を失う。


「俺たち夜行性の魔族は光が得意ではないから、ノワールは黒で統一されているが……鈴蘭には華やかなほうがいいと聞いた」


私のために、わざわざ用意してくださったのかな……?


一体いくらかかったのか、費用を想像するだけで恐ろしい。住まわせてもらえるだけで十分なのに、こんな素敵な部屋まで用意してくださるなんて……。


恐れ多くて、中に足を踏み入れることもできない。


「気に入ってもらえたか?」