魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「鈴蘭、今日からここがお前の家だ」


う、わっ……。


扉の向こうに広がっていたのは、本当に寮の一室かと疑うほど長い廊下と、いくつもの部屋の扉。い、一体、ひとつの寮部屋に何室あるんだろうっ……。


2階建ての私の実家よりも、はるかに広いことは容易に想像できた。


「ほら」


「あ、ありがとうございます」


お礼を言って、恐る恐る中に入る。


部屋に置かれているインテリアも、すべて高級品そう……こ、こんなところに住まわせてもらっていいのかな……。


ここを家だとは、到底思えそうにない。


「鈴蘭、こっちがお前の部屋だ。荷物も運び終わっている」


夜明さんが、ひとつの扉を開けた。


え……?


中の光景に驚いて、目を見開く。


「私の、部屋……」