魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

そこまでして私に会いに来てくれていたという事実が、すごく嬉しかった。


「お前は優しいな。……いつだって俺は、その優しさに癒されている」


い、癒されてる……?


私がいつ、そんなことを……それに、優しいのは夜明さんのほうだ。


恩を仇で返した私に、今もこうやって微笑みかけてくれるんだから。


「突然婚約を申し込んですまなかった。戸惑わせてしまっただろ」


夜明さんが謝る必要はひとつもないけれど、驚いたのは事実だった。


今もまだ、理由がわかっていない。


「順序が逆になってしまったが、改めて伝えさせてくれ」


そう言って、静かに私を見つめた夜明さん。


真っ赤な瞳に、私だけが映っている。


「お前が好きだ」


はっきりと告げられたそのひと言に、言葉を失う。