魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

もしかして……。


黒闇神様、鈴蘭よりあたしの顔のほうがタイプなんじゃ……。


……ふふっ、やっぱり、あたしは愛されるべき女なんだわ。


「そうなのです……。事実、本来あの部屋に住んでいたのはあたしで……両親がきつく当たっていたのも、あたしのほうで……むしろ鈴蘭は、両親とは仲がいいのです」


あたしをじっと見つめて、話を聞いてくれている黒闇神様。


あたしは演技に熱を入れるように、悲しくてたまらないという仕草で俯いた。


「どうしてこんな誤解が生まれてしまったのか……あたしもわからなくて……ただ、黒闇神様には事実をお伝えしなければと……」


黒闇神様が、ゆっくりとあたしに歩み寄ってくる。


「顔を上げろ」


言われるがままに顔を上げた。