魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「まず、素性を隠していて悪かった」


申し訳なさそうに、眉をひそめた夜明さん。


「事情があって、素性を明かしてブランには行けなかったんだ」


事情を聞かなくても、なんとなく想像はできた。


友達がいない私ですら、“黒闇神様”という名前は毎日のように耳にしていた。


夜明さんはそれくらい有名な人だってことはもう十分わかってる。だから……正体を隠してブランに来ていたことにも納得がいった。


「お前を騙すようなことをして、本当にすまなかった」


頭を下げた夜明さんに、慌てて首を横に振る。


「事情があったなら仕方がありません……! あ、謝らないでください……!」


それに……夜明さんほど有名な人が、ブランに来るのは姿を隠してでも大変だったはず。