魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

ちなみに、書いてあるのは鈴蘭の記憶にあった内容。この家族が鈴蘭を虐げてきた記録だ。


こいつらが鈴蘭の教師を解雇した時の裏も取れたため、教育委員会の証言も入っている。


妹と父親も書類を見ると、同じように顔が青ざめていた。


「すべて事実だな?」


「い、いえ……こんなことは……」


「ちなみに今この場での発言はすべて録音している」


鈴蘭を先に帰してよかった。


「虚言を重ねれば重ねるほど、罪は重くなると思えよ愚人ども」


心置きなく汚い言葉を吐き捨てられる。


この一瞬で荷造りは終わったのか、使用人が荷物をまとめて部屋を出ていった。


残ったのは、ボロボロの机と布団だけ。


こんな薄っぺらい布団……冬はどうしていたのか……。