魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

怒りが抑えられていないだろう自分の顔を見られないように、鈴蘭の顔を自分の胸に隠す。


「……おい」


3人のほうを見ると、一様に青ざめた顔でこっちを見た。


「この部屋は物置か何かか?」


「…………」


「これは部屋か?」


誤魔化すための答えでも考えているのか、口ごもっている母親。


「おい、答えろ」


もう一度問いかければ、引きつった笑顔で口を開いた母親。


「この部屋は……も、物置でございます」


「…………」


「掃除をしていて、一時的に荷物を移していただけで……鈴蘭の部屋は、別にあります。ねえ、鈴蘭」


突然同意を求められた鈴蘭は、何もわからず戸惑っている様子だった。


「は、はい」


すぐに話を合わせるかのように、俺を見て頷いた鈴蘭。