魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「フード、さん……」


「夜明だ」


「え?」


「俺の名前は黒闇神夜明。これからは、夜明と呼んでくれ」


名前……。


今までずっと聞けなかったから、本当の名前がわかって嬉しい。


フードさんという呼び方が染みついているから、急に名前呼びになるのは少し抵抗があるけど……。


「夜明、さん……」


恥ずかしさを堪えて、名前を口にした。


フードさん……夜明さんはそんな私を見ながら、これでもかと優しく微笑んでくれる。


「こんなにも可愛い声に名前を呼ばれたのは初めてだ」


……え?


「鈴蘭、俺のほうが謝らなければいけないことが山ほどある」


聞き間違いかと思うようなセリフが聞こえた気がしたけど、真剣な面持ちになった夜明さんの言葉に私も耳を傾ける。