本当に最後になるかはわからない。私がいつ夜明さんに愛想を尽かされるかがわからないから。


ただ……今は夜明さんの好意を疑うようなことはしたくないし、素直にその言葉を受け入れたい。


お世話になった両親には……せめてちゃんとお礼を……。


そう思って、家族に向かって頭を下げた。


「学園の寮に、入寮させていただけることになりました……急な決定ですみません。今まで、本当にお世話になりました……」


静まり返る室内に、お母さんの乾いた笑みが響いた。


「……そ、そうなの。残念ね。寂しくなるわ」


真意はわからないけど……少しでも寂しく思ってくれていたら……これ以上にない幸せだ。


きっと私がいなくなって、3人も幸せだと思う。これで完全に邪魔者がいない、3人家族の時間を過ごせる。