『ならいい……お前はくれぐれも、正しい婚約者を迎えるように』


「はい」


機械音を残して、一方的に切れた通話。


挨拶もなしか……相変わらず、祖父は俺のことをコマとしか思っていないようだ。


女神の生まれ変わりを婚約者に迎えて、ひと泡吹かせてやろうと思ったが……いまだに、候補は星蘭しか見つかっていない。


その星蘭も……最近は生まれ変わりなのかどうか、疑わしくなってきた。


今朝もあんなみっともないことをして……テストの結果といい、あいつはどれだけ俺の顔に泥を塗れば気が済むんだ……。


当分はあいつの顔を見たくないと思うほど、星蘭への不満がたまっていた。


あいつが女神だとしても、生涯を共にすると思うと嫌気がさしそうだ。