魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

なんて醜態を晒してしまった……白神家の後継者であるこの俺が……。


黒闇神が、一歩歩み寄ってくる。


また後ずさりしそうになったが、俺はなんとか耐えて動かなかった。


「……お前の父親は、あの大臣政務官とプライベートでも仲がいいそうだな」


「……っ」


ほかの生徒には聞こえないような声量で、囁いた黒闇神。


こいつ……どうして、それを……。


「……俺はすべてを知っているが、ここで話してもいいか?」


すべてとは、一体どこまでだ?


こいつが知っているはずはない。


だが……俺は数年前の、ある事件を思い出した。


黒闇神が政権を握るきっかけにもなった、当時の副大臣の汚職を暴いた事件。


公にしたのは黒闇神現首相ということ以外、すべてが謎に包まれている事件だ。