魔王子さま、ご執心!②~最強王子と、 甘すぎる溺愛婚約生活が始まる~

「……ああ、移動しただけだ。俺の能力のひとつだ。驚くようなことじゃない」


驚くようなことじゃないってっ……。


まるでたいした能力ではないとでもいうかのような口調に、あっけにとられた。


そういえば、フードさんは学園の生徒たちが崇拝している黒闇神夜明さんだったんだ……。私は何も知らなかったけど、あれだけ騒がれていたということは、きっと想像がつかないほど凄い人なんだろう。


今の瞬間移動のような能力を当たり前のように話す時点で、常人離れしている。


って、魔族だから、元から普通の人ではないんだった……。


「ここはノワールの学生寮の中にあるラウンジだ。級長と関係者しか入れない場所だから、安心しろ」


ブランの級長室のような場所なのかな……?


でも、広さが段違いすぎる。