〈職員室〉
「______さっきの話、取り消し」
「あいよ……って、なんで深月が?」
「こいつと、一緒に卒業するんで」
「……はぁ?!珠樹(たまき)。分かっているのか!留年になるんだぞ!」
「別に、いいだろ。じゃ」
「じゃって。おい!」
下の名前。珠樹って言うんだ。
留年って?
私よりか、上ってこと?
私と珠樹さんは、職員室からでた。
「なぁ、お前の名前って一期深月だろ」
「え!なんで、それを?!今、会ったばかりなのに」
「お前と親父、有名な暴走族だからな。名前は知ってる。ま、知らないものはいないんじゃないかな?」
「え……」
「それにしても、お前って……オタクなのか?」
「お下げに、眼鏡って。……ちょっと、来い」
「えー!また?」
「いいから」
「……」
私は、珠樹さんに連れられて学校の外に出てしまった。