卒業 ~片想いのゆくえ~

「…」
「そのままの意味」
「えっ?」
「あ~!もう!どんだけ鈍いんだよ!」
「ごめん」
「俺は、お前が好きだ。理由がなくてもお前が困ってたら助けられる立場にいたい」
「…え~と、つまり。両想いってこと?」
「お前がまだ俺のことを好きでいてくれてるなら」
「好きに決まってる!私の気持ちは、去年から何も変わってない」
「そっか、ありがとう。澤本に告られてたらどうしようかと思った」
「あ~。悠哉にされたよ、告白。もちろん断ったけど」
「まじかよ…。呼んで」
「えっ?」
「俺も、下の名前で呼ばれたい」
「…好きだよ。颯斗」
「俺もだ。真由」
苦しいほどの幸せで胸がいっぱいになった。