彼は、フン、と。肩まで使って息を吐き出すと、そこに自分の思いをのせた。
「好きだから、こだわってんの」
まるで叱られた子どもみたい。
思いを吐き出したところで、すぐに機嫌がなおることはない。
「……こだわってる?…って、なにを?」
首を傾げると、椅子の背もたれに体を預けていた彼が、コホンと小さく咳払いをした。
「長続きする方法」
「……えっ?」
なんだかしっくりこない。
違和感、というか。
彼の口から聞かされても、アンバランスな感じがした。
失礼な話だけど。
何度も言うようだけど。
彼の恋は「長続きしない」から。
彼は、視線の先をどこに置こうか迷っているようだった。
右に、下に、左にと。
最後は諦めたのか、彼の視線をなんとなく追っていた私に向けられた。
「いろいろと、理由があって。話すと、長くなるんだけど」
話してくれるなら、と。私は何度も首を縦に振った。
「いい!長くなっても、いい。聞きたい!」



