「ほらよ」
第一声の選択に私はびっくりして葵くんを見る。すると右手からペットボトルが放り投げられていた。反射神経は遅いし、運動も苦手だしで、今この状況において不利なことしかないのだが、幸いにもふわりと優しいパスで、私でもキャッチできた。
「買ってきてくれたの?」
「倒れられたら困るだろ。お前飲み物持ってきてないし、汗すげえかいてるし、熱中症にでもなられたら溜まったもんじゃねえからな」
葵くんの持つジュースは、もう少し飲まれたあとのようだ。葵くんが持っているものと同じスポーツドリンクを買ってきてくれていた。標記には熱中症対策の文字が見えた。しかし、葵くんに言われるまで自分が、ここまで汗を書いかていることに気が付かなかった。よく見ると葵くんは全く汗をかいていない。
「ありがとう」
理由はともあれ私のために葵くんは買ってきてくれたのだ。私はこのペットボトルが葵くんであるかのようにお礼を言った。
「お金また返すね。これ何円した?」
「いらねえよ。俺がしたくてやったんだから。お前は関係ねえ」
後頭部をかき、葵くんは時計を見た。彼の言葉に私は妙に引っ掛かりつつも、私は冷静を装う。
「でも…」
「いいから。ほら。飲んだら早くするぞ」
照れてしびれを切らしたのか、急かすように葵くんはペットボトルを置き、また二人三脚の紐を結び始めた。
第一声の選択に私はびっくりして葵くんを見る。すると右手からペットボトルが放り投げられていた。反射神経は遅いし、運動も苦手だしで、今この状況において不利なことしかないのだが、幸いにもふわりと優しいパスで、私でもキャッチできた。
「買ってきてくれたの?」
「倒れられたら困るだろ。お前飲み物持ってきてないし、汗すげえかいてるし、熱中症にでもなられたら溜まったもんじゃねえからな」
葵くんの持つジュースは、もう少し飲まれたあとのようだ。葵くんが持っているものと同じスポーツドリンクを買ってきてくれていた。標記には熱中症対策の文字が見えた。しかし、葵くんに言われるまで自分が、ここまで汗を書いかていることに気が付かなかった。よく見ると葵くんは全く汗をかいていない。
「ありがとう」
理由はともあれ私のために葵くんは買ってきてくれたのだ。私はこのペットボトルが葵くんであるかのようにお礼を言った。
「お金また返すね。これ何円した?」
「いらねえよ。俺がしたくてやったんだから。お前は関係ねえ」
後頭部をかき、葵くんは時計を見た。彼の言葉に私は妙に引っ掛かりつつも、私は冷静を装う。
「でも…」
「いいから。ほら。飲んだら早くするぞ」
照れてしびれを切らしたのか、急かすように葵くんはペットボトルを置き、また二人三脚の紐を結び始めた。


