相思相愛

「図書委員かな。本いっぱい読めそうだし」 
「ちゃんと仕事しなよ〜?」
 誰もいない図書室で本を読む妄想はすぐに止められた。一回だけ図書室には行ったことがあって、静かな空間に(とりこ)になった。静寂と本はベストマッチなのではと自分で勝手に考えている。
「優菜ちゃんは?何するの?」
「ん〜まだ決めてない。別に余ったやつでもいいかなって」
 優菜ちゃんは内心とかあまり気にしないのかな。まあ頭よかったらテストとかで賄えるもんね。私にはそんな脳がないからこういうとこで取っておかないと行けない。
「ほい、じゃあいいかな。忘れとったけどこれ男女1ペアだからね」
 腰に手を当てた先生がそう言った。中学校のときもそうだったからおかしいと思ってたけど解決した。
 男女1ペアかあ。まあ流石に大丈夫だよね。
「はい次図書委員」
 私が右手を、挙げたら、視界の左隅でもうひとり誰か手をあげたのが見えた。
「中野と藤本だな。はい、次風紀委員」
 ふじもと?確か男子で藤本っていう苗字の人って…。葵くんしかいない。嘘…わたしたち同じ委員会?打ち合わせしたわけでもないのに…。こんな確率当たることあるの?どうしよう…。
「無事な、時間内に終わったので、委員会になった人はペアでちょっと話してみるか。親睦会してみ」
 先生がどうぞの手を見せるが、誰も動く気配を見せない。それもそうだ。今のこのクラスには男子と女子の壁がはっきりとできている。いわば男子勢力対女子勢力となっている。そんなのがいきなりふたりきりで話すなんて無理に等しい。
 それに葵くんは私と一歩距離を置いているように感じるから、尚更こなさそう。
 葵くんとは別の男の子が席を立ち、ペアであろう女子のもとへ向かった。それを見てか、他の男子も恐る恐る席を立ち始めた。葵くんは別に遠慮する感じもなくスタスタとこちらに来た。
「キーンコーンカーンコーン」
 だいぶ葵くんが近くまで来たところでチャイムがなった。
「あ、今日40分授業の日か。忘れてた。ごめん号令しよう」
 わたしはえ?っという顔で時計を見た。確かにいつもより授業の終わりが10分早い。多分葵くんも同じような目で時計を見たかもしれない。
「早速やけど今日委員会あるからね放課後。また教室とかの紙は帰りのときに持ってくるんで」
 そう言うと先生は荷物を持って教室から出ていった。
「香織ちゃん。あの子って」
 先生が出ていってすぐ、優菜ちゃんが席を立ってこっちに来た。
「え?誰のこと?」
 どうしよう。何か疑われそうな感じ。興味ありげな顔で見てくる優菜ちゃんに私はとぼけた顔で彼女を見る。