そういえば、葵くんはどんな本読んでるのだろう。人が読んでいる本を見るとついついどんな本を読んでいるのか気になってしまう。サスペンス系かな。それとも推理系?葵くん推理上手そう。(ド偏見)意外と恋愛ものとか感動する話とか読むのかな。
そう考えてるうちに電車が来て、わたしはそれに乗って学校まで行った。
「やだねー。もうすぐ梅雨だよ?」
昼休み、お弁当を食べ終わって教室で日向ぼっこをしていると、窓の縁に頬杖をついて優菜ちゃんが不機嫌な顔を浮かべた。
「まだ1ヶ月はあるよ?気が早いんじゃない?」
「雨って嫌でしょ?ジメジメするし暑いし。蒸し暑いのが一番嫌いなの!」
確かにっと相槌を打つ。でももう半月もすれば梅雨が来るのかあ。そう考えると早い。だって高校に入学してもう2ヶ月が経とうとしてるってことだよね?
「私今年五月病ならなかったんだ」
ぱっと目を見開いて自慢気に優菜ちゃんが言ってきた。
「五月病?なにそれ」
「え?知らないの?」
小さな子供みたいに頭を上下に振った。頭の中で色々変換してみるけれど全くもってなにをいってるのかわからない。5月の病気だってことはなんとなくわかった。
「あれ、説明難しい。まあ、この時期くらいに心が病むこと。1年生とか1年目に結構多いやつだね」
よくいる教授みたいに人差し指を立てて言葉を並べてる。
「知らなかった。でももうわたしたちは大丈夫だね」
親指をピンと立てると、優菜ちゃんも親指を立ててぽんと当ててきた。
「葵自販機行く?」
「おー。俺も喉乾いたし。まだ時間もあるし行くか」
わたしたちの少し後ろでそんな会話が聞こえた。家が真隣ってこともあってか、葵くんのことが少し気になる。葵くんと私の知らない人が二人並んで廊下を歩いていった。背の高い好青年で違うクラスの人。やけに馴れ馴れしいからもし貸したら元々知り合いだったのかな。
高校に入ってから、葵くんの笑顔初めてみたかもしれない。友達と楽しそうに笑う顔。あの子よりも断然昔に知り合ってるのは私のはずなのに、今の私にはあんな晴れた顔見せてくれなかった。
そう考えてるうちに電車が来て、わたしはそれに乗って学校まで行った。
「やだねー。もうすぐ梅雨だよ?」
昼休み、お弁当を食べ終わって教室で日向ぼっこをしていると、窓の縁に頬杖をついて優菜ちゃんが不機嫌な顔を浮かべた。
「まだ1ヶ月はあるよ?気が早いんじゃない?」
「雨って嫌でしょ?ジメジメするし暑いし。蒸し暑いのが一番嫌いなの!」
確かにっと相槌を打つ。でももう半月もすれば梅雨が来るのかあ。そう考えると早い。だって高校に入学してもう2ヶ月が経とうとしてるってことだよね?
「私今年五月病ならなかったんだ」
ぱっと目を見開いて自慢気に優菜ちゃんが言ってきた。
「五月病?なにそれ」
「え?知らないの?」
小さな子供みたいに頭を上下に振った。頭の中で色々変換してみるけれど全くもってなにをいってるのかわからない。5月の病気だってことはなんとなくわかった。
「あれ、説明難しい。まあ、この時期くらいに心が病むこと。1年生とか1年目に結構多いやつだね」
よくいる教授みたいに人差し指を立てて言葉を並べてる。
「知らなかった。でももうわたしたちは大丈夫だね」
親指をピンと立てると、優菜ちゃんも親指を立ててぽんと当ててきた。
「葵自販機行く?」
「おー。俺も喉乾いたし。まだ時間もあるし行くか」
わたしたちの少し後ろでそんな会話が聞こえた。家が真隣ってこともあってか、葵くんのことが少し気になる。葵くんと私の知らない人が二人並んで廊下を歩いていった。背の高い好青年で違うクラスの人。やけに馴れ馴れしいからもし貸したら元々知り合いだったのかな。
高校に入ってから、葵くんの笑顔初めてみたかもしれない。友達と楽しそうに笑う顔。あの子よりも断然昔に知り合ってるのは私のはずなのに、今の私にはあんな晴れた顔見せてくれなかった。


