【連載中】野いちご学園高等部🍓イケメン達と映画をつくることになりました✩.*

「顧問かぁ……」

 先生は悩んでいた。

 悩む先生の姿もカッコイイな、なんて思いながら見つめていたら、なんだか目の下のクマが濃いのが気になった。

「先生、疲れてます?」

「ちょっと最近、忙しくてね」

「忙しい……。じゃあ、難しいですかね?」

「いや、大丈夫ですよ! 涼風さんの頑張りを応援したいし。まだ許可貰わないといけないから本決まりではないですけれどね」

「本当ですか? ありがとうございます!」

*

 後日放課後、先生は私を理科室に呼んだ。

 5人生徒が集まるという条件が満たされれば映画部設立がOKという話だった。

「何か相談とかあればいつでも言ってくださいね」

「はい、ありがとうございます!」

 私はお礼にと思い、いち子が教えてくれた“先生が好きな物”を鞄から取り出した。

「ち、ちょっと! 学校にそんなものを持ってきてはダメです!」

 先生はとても慌てていた。
 焦る姿が、年上なのになんだか可愛い。

 先生が焦った理由。それは、私が鞄から取り出したものが日本酒だったから。

 鞄にすっぽりと入るような小さめの日本酒。先生が大好きだという銘柄。

「あの、お礼です! 受け取って頂けませんか?」

 最初は断ってきたけれど、何回もお願いしたらようやく受け取ってくれた。

「受け取ったこと、内緒ですよ!」

 先生はそう言いながら口元に人差し指を置く仕草をした。

「はいもちろん! 本当にありがとうございます!」

「いやぁ、このお酒、大好きなんですよ」

 お酒を見る先生の瞳がキラキラしていて、私はキュンとした。

「あ、あとこれも渡したくて!」

 私は鞄から、目元を蒸気で温める使い捨てのものを出し、先生に渡した。前回話をしていた時、目頭を押してたり目をシュパシュパ何回もしたりしていて、クマも濃いけれど、目も疲れているのかな?って思ったから。

「ありがとう! 早速今日家で使ってみるよ!」

 先生の笑顔。
 とても眩しくて優しすぎた。

 私の推し漫画に出てくる、甘やかしすぎてくれるイケメン先生キャラにそっくりで、胸がドキンと大きく波打つ。

 先生の疲れが取れますように!