【連載中】野いちご学園高等部🍓イケメン達と映画をつくることになりました✩.*

「絵の中に吸い込まれる映像を使う感じだったら、異世界にいっちゃうとか、ファンタジーなお話どうかな?って思ってたんだけど……」

 私が考えをみんなに伝えると「そっち系の話か……」と東条先輩が反応する。

「異世界なファンタジーって衣装準備大変なイメージだな」と蓮見くんが呟いた。
 
「衣装とか、もし自分たちで準備するのが難しい感じだったら、ドラマ撮影の時に仲良くなったスタイリストさんに聞いてみる?」

 高瀬くんが提案してくれた。

「えっ? プロの人?」
「そうだよ!」

 プロの人に頼むのって、本格的になりそうで素敵だな!って思った。

 でも果たしてそれでいいのかな?っていう気持ちも湧いてくる。それに映画部は使えるお金も少ないし、衣装代とか、プロに頼むと高くなりそうなイメージ。

 そんなことを考えていると、東条先輩が言った。

「せっかくの文化祭だからさ、学園巻き込んで映画作ればいんじゃないか?」

「巻き込むって?」

 私は質問した。

「美術部、文芸部、写真部、演劇部、家庭科部……この辺りとコラボ出来そうだな。もしかしたらもっと巻き込めるかも」

「文化系の部?」

「そう、文化祭実行委員会と話し合いする時、一緒に映画制作のことも言ってみるか? 予算とか宣伝の部分も上手く話が進んだらプラスになると思う」

 そっか、東条先輩は生徒会長だった。
 せっかくだから、学園のみんなと一緒に作って、思い出を作りたい!

「お願いします!」
「分かった。多分、賛同してもらえると思う」


「あとさ、撮影場所だけど、うちの別荘もしよかったら自由に使ってもいいよ?」

 高瀬くんがそう言ってくれた。

「高瀬くんの家の別荘?」
「うん。うちの父親、イギリス人でイギリス生まれなんだけど、数年前に洋風の別荘を建てたんだ。なんか遠くの故郷が恋しくなったからって。そこ、歌のPVのロケ地にもなったことあるよ」

 あぁ、なんだか周りに助けられてどんどん前に進めている気がする。

「みんな、ありがとう」

 微笑みながらそう言うと、横にいた先生が「青春っていいですね!」と言いながらうんうんと頷いていた。