みんな無事に戻ってこれてよかった!

 帰ってきた4人はやつれた様子もなく、いつも通りな感じだった。

「今から計画立てるか?」

 東条先輩が言った。

「授業始まるまであんまり時間ないけどせっかくだから……」

「涼風さん、今日学校休みだよ」

 高瀬くんに言われてスマホのカレンダーで確認してみた。

「わっ、本当だ!」

 今日は金曜日だと思っていたら土曜日。

 みんなのスケジュールを聞いてみると、高瀬くんが午後から撮影だったから、午前中に話し合いをすることになった。

 旧美術室の中の床を先生が軽く拭いてくれて、みんなで床に座る。

 というか、何から話せばいいんだろう?

「あれ、環くんのカメラだよね? レンズ絵に向けられてるけど、撮ってたの?」

 私が話すことを迷っている時、高瀬くんが珠洲島くんのカメラを指さして言った。

「うん、僕ね、みんなが出入りするところの動画を撮ったの」

「まじで!? すごいな! 見せて?」

 東条先輩がそう言うと、珠洲島くんがカメラを操作した。そして、モニター画面で撮ったシーンを見れるように準備してくれた。

 みんなでカメラを囲み、珠洲島くんが再生ボタンをぽちっと押した。